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地球にとっての安心材料
幾度となく地球に接近して脅かしている小惑星の「アポフィス」ですが、NASAの最新の分析結果によりますと、今後100年は間は衝突の可能性がないとということです。 地球にとっては安心材料となりますね。 アポフィスは2004年に発見され、その直径は約340mで、衝突の可能性が極めて高い小惑星として注視されてきました。 今年3月6日には地球から約1700万km離れたところを通過したとき、NASAは新宇宙通信網とグリーンバンク天文台の電波望遠鏡とのレーダー観測を実施。 通過するアポフィスまでの距離を約150mの精度で観測することに成功しています。 これの観測データを分析した結果、この度の衝突の可能性が計算されたわけです。 今後も私たちの生活する地球を守るべく、働いていただいているNASAをはじめ、関係の方々には頭が下がります ...
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リュウグウの岩石サンプルに匹敵する隕石
2月28日に英国や欧米で観測された火球による隕石が落下していることが分かりました。 その隕石はおよそ300gで、良好な状態で回収され、質・量ともにはやぶさ2が持ち帰ったリュウグウの岩石サンプルに匹敵するといいます。 The Trustees of the Natural History Museum またこの隕石を構成する炭素質コンドライトは太陽系の中でも原始的で純粋な物質といわれ、生命の源となる有機物とアミノ酸を含んでいるのだそうです。 この隕石は分析され、さらなる解明へと進んでいくといいですね ...
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はるかに巨大だった ブラックホールのはくちょう座X-1
1964年に初めてブラックホールが確認された「はくちょう座X-1」。 これまでの計算で太陽15個分の質量と考えられてきましたが、はるかに巨大で、21個分の質量ということが明らかになりました。 このことによりブラックホール形成時に失われた恒星の質量の推定値が変わってくるそうです。 もともとブラックホールの質量は、恒星の大きさと恒星風の形で失われる質量の量に依存し、高温で明るく輝く星はより重く、より多くの恒星風をつくる傾向があるんだそう。 特に天の川銀河で生成されるブラックホールの質量は15太陽質量以下と考えられていましたから、このはくちょう座X-1の調査結果からこれまでの認識を再考慮しなくてはいけないということになったそうです。 現在オーストラリアと南アフリカで建設が進められているスクエア・キロメートル・アレイ(Square Kilometer Array:SKA)が稼働することでさらなる詳しいデータが取れると期待されています。 科学者たちが考えてきたブラックホールの形成スピードがどのようにして高速になったのかがいずれ解き明かされる日も近いかもしれません ...
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雲ひとつない珍しい木星型惑星
WASP-62bと呼ばれる太陽系外惑星が発見されたのは今から8年ほど前です。 この惑星の特徴は木星型惑星とは言いつつも、厚い雲に覆われておらず雲ひとつない珍しい惑星です。 また公転周期はたったの4日半しかなく、恒星であるWASP-62から経ったの0.0567AU(85万km)しか離れていません。 これは太陽から水星までの距離(0.3871AU)よりさらに近いことがわかります。 すなわち恒星からの熱が直接当たり、驚異的な暑さです。 またこれからこの星の大気を調べるための調査が2021年以降、始められるのだそう。 公転周期が4日半とは猛スピードで回っているんですね。 目が回りそうです ...
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超新星爆発を目撃をした人がいた?
今から約1700年前、地球から20万光年先の「小マゼラン雲」にある星が超新星爆発を起こしました。 現在はその残骸が見られます。 (Credit: NASA, ESA, STScI, and J. Banovetz and D. Milisavljevic (Purdue University)) この画像はイオン化した酸素の動きを調べるために撮影されたもので、青色は地球に向かい、赤色は地球から遠ざかるように移動しているんだそうです。 また帯状のガスのかたまりは、地球から月までの距離(およそ34万km)を15分足らずで往復できる速度(時速320万km)で爆発の中心から遠ざかっています。 この超新星爆発が起きたとき、時代でいうと3世紀後半あたりといいますから弥生時代でしょうか、そんなとき空を見上げている人がいたら、目撃していたかもしれませんね。 目撃した人がいたかもしれない?、そんな銀河 ...
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超巨大ブラックホールに食べられるかわいそうな星
今回の発見は超巨大ブラックホールに食べられる星です。 実はこの現象にはある理由があってわかったといいます。 それは地球から5億7000万光年離れた銀河から眩い閃光を2014年11月14日に確認したそうです。 当時は超新星爆発と思われていたそうですが、データを詳しく調べていると、この閃光は1度切りではなく複数回あり、それが114日間隔で閃光していることが分かりました すなわち何度も光を放つということは超新星爆発ではないということです。 より詳しく調べたところ、フレアの明るさと持続時間から推測すると、星がブラックホールに少しずつ質量を取られているということが分かりました。 わかりやすい表現でいいますと、食いちぎれているということです。 https://enoeffort.xyz/wp-content/uploads/2021/01/periodic_AGN_wide_shot_with_labels_LQ_low.mp4 Credit: NASA’s Goddard Space Flight Center/Chris Smith (USRA/GESTAR) 今後何度もこのことが行われ、最後はすべて食べられ死を遂げます。 ちょっとかわいそうなこの星、まるで生き物のようですね。   ...
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寿命がたった1万年しかない新種の天体
欧州宇宙機関・ESAのX線観測衛星(XMM-Newton)がとらえた星雲(IRAS 00500+6713)内に天体「J005311」があります。 星雲の雲は宇宙の塵やガスから構成されていて、主な成分がネオンガスだそうです。 この「J005311」は非常に速い恒星風(※1)を伴う星で、白色矮星(※2)同士が合体して誕生したと考えられてきました。 しかし星雲全体のX線観測データを収集している中で、主にネオンで構成されている星雲だということを発見。 実は白色矮星同士が合体すると、太陽の1.4倍という質量を超えてla型超新星になるか、それとも崩壊して中性子星になるかのどちらかと考えられてきました。 でもこの星雲はそのどちらでもなく、そのままの状態を保っている新種の天体ということになっています。 ただこの星雲の中にある「J005311」は、非常に不安定な状態で、いずれ1万年以内には崩壊して中性子に落ち着くと予想されているそうです。 新しい命をもらい、たった1万年の寿命とは何ともかわいそうな星ですね。 もしかしたら科学者の予想に反して、さらに寿命を延ばすかもしれません。 いずれにしてもかなり不安定な星には変わりないでしょう。 ※1 恒星風:太陽風と同じように、恒星の表面から噴き出すプラズマの流れのこと。 ※2 白色矮星:太陽の1約.4倍の質量を持ち、恒星の進化過程で、後に赤色巨星となり、いずれ潰れて中性子星となる星 ...